歯科治療後に献血を断られるのはなぜ?
このコラムをお読みになっている方の中には、献血の経験のある方もいらっしゃると思います。
献血に行くと問診票に記入しますが、その中に「歯科治療を受けたかどうか」という項目があります。歯科治療を受けたと答えた方の中には、献血をお断りされることがあり、戸惑った方もいるでしょう。
実は献血を断られるのは、歯科治療の多くが出血をともなう処置だからなのです。
今回は、歯科治療後に献血を断られる理由を中心に、断られる期間と対象になりやすい治療についてお話しします。
歯科治療後に献血を断られる理由

歯科治療後の献血が断られる理由は、菌血症の血液の輸血予防のためです。
菌血症とは
菌血症とは、血液の中に細菌が入り込んだ状態のことをいいます。
皆さんも、歯科治療の際に歯茎から出血した経験がありませんか?これは見方を変えると、血管に穴が開いたということです。
そしてお口の中には細菌がたくさんいます。このため、出血を伴う歯科治療の後には、血液中にお口の中の細菌が入りこみ、菌血症になる可能性が高くなってしまうということなのです。
免疫力が弱まっている場合は注意
献血をするような健康な方は、菌血症になっても、ご自身の免疫力が作用して、血液の中に入り込んだ細菌を排除することができます。
ですが、輸血を受けるような状態にある方はそうではありません。
病気や治療の影響で免疫の力が弱まっている場合が多く、入り込んだ細菌に対抗しきれません。それどころか、血液のなかで細菌が増えていくことさえあります。
この状態を敗血症といい、ショックや多臓器不全の原因となり、命に関わる重大な事態に陥ることがあります。
こうした事態を防ぐため、歯科治療を受けたあと一定の期間は献血ができないよう定められているのです。
献血をお断りされる期間

歯科治療を受けてから献血ができるのは、血液中から細菌が排除されていなくなる歯科治療後4日目からです。ですので、歯科治療を受けてから3日間は献血できません。
ただ、全ての歯科治療で献血が断られるわけではありません。お断りされる可能性が高いのは、以下のような出血を伴う歯科治療です。
- ・抜歯(親知らずなど)
- ・歯周病治療(歯周病基本治療・歯周外科治療)
- ・インプラント治療(埋入手術・二次手術・メンテナンス)
歯周病治療とインプラント治療、そして処置後の抜糸も献血を断られる対象です。
歯周病治療
歯周病治療では、スケーリングと呼ばれる歯石除去や、歯垢を取り除くプラークコントロールでほとんどの方が出血します。歯茎を切開して深い部分の歯石を取り除く、歯周外科治療ならなおさらです。
インプラント
インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込む埋入手術も、歯茎を切開して部品を取り付ける二次手術も、出血をともなうことになります。また、治療が終わったあとのメンテナンスでも、ケアの過程で歯茎から出血することがあります。
ほかにも、忘れがちなのが、外科処置後の経過観察時です。例えば、インプラント手術後の抜糸ですね。抜糸も出血を伴うので、献血前の問診のとき、必ず伝えるようにしてください。
献血の予定がある方は歯科治療の日程調整を

今回は、歯科治療後に献血を断られる理由や期間などについてお話ししました。
お伝えしたように、歯科治療を受けた後、3日目までは献血は断られます。これは、治療にともなう出血で口腔内の常在菌が血液中に入り込み、一時的に菌血症を起こす可能性があるためです。
問題なく献血できると思われる歯科治療もありますが、実際のところは献血センターの医師の判断次第です。
献血を予定している方は、歯科治療の日程を調整するか、献血の予定を歯科治療を考慮して決めることをおすすめします。
成増さくら歯科では、お口だけでなく全身の健康を見据えた歯科治療を心がけています。献血や手術を控えていて治療の時期に迷っているという方も、成増駅すぐそばの成増さくら歯科にぜひご相談ください。
