2026.03.31

今では使われなくなったアマルガムについて

奥歯に古い金属製の詰め物があったら、もしかしたらそれはアマルガムという金属で治したのかもしれません。

アマルガムは、日本では使われなくなって久しい材料で、歯学部の学生にもアマルガムの詰め方に関する教育は行われなくなりました。

今回は、アマルガムという金属製の詰め物についてお話しします。

アマルガムとは

アマルガムとは

アマルガムは、水銀を主成分(約50%)とした金属製の詰め物です。水銀の他、銀(約35%)、スズ(約9%)、銅(約5%)なども含まれています。

アマルガムはとても使いやすい歯科材料で、日本では150年ほど前から使われてきましたが、現在では保険診療からも外れ、もう使われなくなった素材です。

アマルガムの安全性

先にお話ししたとおり、アマルガムの成分で最も多いのは水銀です。水銀と聞くと、どうしても水俣病なども思い出されるので、健康上良くないと思われるかもしれません。

ただ、水銀は、無機水銀と有機水銀2種類に分けられ、水俣病の原因となった水銀は、有機水銀です。

一方、アマルガムに使われているのは、無機水銀であり、化学的に安定した物質で安全です。

実際、世界中で100年以上前から使われ続けていますが、危険な材料ならば、これほど長く使われることはないはずですし、世界中に普及することもなかったでしょう。

アマルガムが使われなくなった理由

では、どうしてアマルガムが使われなくなったのか、不思議に思う方もいらっしゃると思います。

その理由は、健康上の問題ではなく、環境への配慮です。

使用前のアマルガムや、使用後の余ったアマルガムなどを歯科医院で保管しているときに、環境を汚染する可能性がゼロではありません。

そのため、全国の多くの歯科医院で保管していると、それだけ環境が汚染されるリスクが高くなるので、世界的に使用されなくなってきたのです。

なお、発展途上国では、アマルガムの使い勝手の良さから今でも使用が続けられているところもあります。

アマルガムの特徴

アマルガムの特徴

アマルガムが100年以上にわたって世界中で使い続けられてきたのには理由があります。

使いやすい

アマルガムは、詰める前に水銀と金属の粉末を混ぜ合わせるのですが、その時点ではとてもやわらかいので、虫歯を削った穴に隙間なく詰めることができます。

その上、時間が経つとしっかりと固まるので、とても使いやすかったのです。

強度が高い

アマルガムは金属なので、歯科で使っている他の金属材料と同じく、強度が高く、噛み合わせの力にも十分耐えることができます。

虫歯になりにくい

冒頭でも触れたように、アマルガムは水銀が含まれています。水銀には抗菌作用があり、虫歯の原因菌を寄せ付けないので、虫歯の再発(二次カリエス)が起こりにくくなります。

安価である

アマルガムに使っている金属材料は、いずれも安価で、治療費を低く抑えることができます。

見た目は良くない

アマルガムは金属材料で、歯の色とは異なるため、見た目は良くありません。詰めた当初は銀色ですが、時間が経つと酸化して黒っぽくなるのが、アマルガムの難点です。

それ以外は、保管をしっかりしなければならないことくらいしか、難点はありません。

アマルガムはどうしたらいいのか

冒頭でもお伝えしたように、アマルガムは、日本ではもう使われなくなった歯科材料です。ではアマルガムで治した歯は、どうすれば良いのでしょうか?

基本的にはそのままにする

アマルガムは、欠けたり、虫歯になったり、色が気になったりしなければ、取り除く必要はありません溶け出すこともないので、基本的にはそのまま過ごしていただくのが良いとされています。

知らない間に外れて飲み込むことを心配される方もいらっしゃいますが、アマルガムは化学的に安定しているので、外れて飲み込んでしまっても、便と一緒に体の外に出されるので心配ありません。

妊娠中の方も、胎児に影響することはありませんので、ご安心ください。

外す場合の注意点

アマルガムは、基本的にはそのままでいいのですが、虫歯ができたり、欠けたりした場合、色が気になる場合などは取り除くことになります。

しかし、アマルガムは、他の歯科用の金属材料と同じように外してはいけません。アマルガムを傷つけないように、周囲の健康な歯の部分を削って形そのままに外すようにします。

アマルガムを削ると水銀が気化して吸い込む可能性があるからです。

より気をつけるなら、アマルガムの歯をラバーダム(※)というゴムシートで覆って取り除くこともあります。

一般的な金属材料を外す場合は、歯を極力削らないようにしますが、アマルガムの場合は周囲の健康な歯を削らなくてはなりません。これも、アマルガムをあえて外さないことが多い理由のひとつです。

(※)ラバーダムについては、医療連携施設である町田歯科歯の神経の治療に必須、ラバーダムとは?のコラムをご参考になさってください。

アマルガムを外した後の治療法

アマルガムを外した後の治療法

アマルガムを外した後、そのままにしておくのは避けなくてはなりません。

保険診療の場合

保険診療で治すとすれば、コンポジットレジン充填というプラスチックを詰める治療がよく行われます。こちらも同じく、歯を削ってできた穴に直接詰める治療です。

コンポジットレジンは歯の色に似たプラスチックなので目立ちにくいですし、範囲が小さければ、治療が1日で終わるのが利点です。

ただし、アマルガムほどの強度はありません。

自由診療の場合

保険診療以外の選択肢としては、セラミックが挙げられます。セラミックは、歯の色に近く、美しい色合いが出せるので、詰めていることがわからないほど自然な仕上がりになります。

また、強度も十分にあるのもメリットでしょう。

ただし、歯型を取らなくてはならないので、治療は1日では終わりませんし、セラミックは固いものの、割れることもあります。どのような治療にするかは、歯科医師とよく相談して決めましょう。

まとめ

アマルガムは、使い勝手の良さから100年以上前から使い続けられてきましたが、環境汚染の可能性がゼロではないという理由から、日本ではもう使われなくなりました。

とても古い治療ではありますが、虫歯になりにくく、強度も高いため、今でも歯に残っている方は多くいらっしゃいます。

ただ、見た目はどうしても良くないので、より自然な色合いの詰め物に変えたいというニーズもあります。

成増さくら歯科では、患者さんの歯の状態をしっかり把握し、希望される仕上がりや予算などを勘案したうえで、一人ひとりにぴったりの詰め物をご案内いたします。

今回のコラムを読んでアマルガムが気になる方や、アマルガムかどうか見てほしいという方も、成増駅すぐそばの成増さくら歯科・矯正歯科にご相談ください

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