噛む回数と肥満の関係

歯は、食べるという行為に欠かせない咀嚼(そしゃく)を正しく行う大切な役割を担っています。食物をしっかり噛んで食べるのは、人間が生きていくうえで必要不可欠なものです。
さて、咀嚼といえば、よく噛んで食べる人ほど、肥満になりにくいという話を聞いたことありませんか?昔から「よく噛んで食べなさい」と言われた方も多いでしょう。
実際に、噛む回数が少ないと早食いになりやすく、これが体重増加を引き起こすと考えられています。厚生労働省が行なっている調査でも、肥満の人ほど早食いが多いという結果が出ていますから、「噛む回数が少ないと太りやすい」のは間違いないでしょう。
今回は、そんな噛む回数と肥満の関係についてお話しします。
早食いすると肥満になりやすい理由

では、どうして早食いに人が太りやすくなるのかを具体的に説明します。
大食いになりやすいから
私たちは、満腹感を感じたら、食べるのを自然とやめます。満腹感を感じるのは、脳の中にある満腹中枢という部分の働きによります。
たくさん食べても、満腹中枢で満腹感を感じるまでには少し時間がかかります。
早食いの人は、食べるスピードが速いので、満腹中枢で満腹感を感じるまでの間にも、さらに食べてしまいます。
このため、どうしても大食いにやりやすく、これも肥満になりやすい理由のひとつと考えられています。
消化にかかるエネルギー量が少ないから
私たちが食べたものは、お腹で消化されて、栄養となり全身に運ばれます。
この消化の際にはエネルギーが必要です。食事の後に眠たくなるのは、消化に必要なエネルギーを身体を休めて集めてくるからです。
早食いの人とゆっくり食べる人の消化に必要なエネルギー量を比べてみると、早食いの人の方が必要なエネルギー量が少なくなります。
たくさん食べるのに、消化に使うエネルギー量が少ないので、太りやすくなるというわけです。
インスリンが増えるから
私たちはブドウ糖をエネルギー源として身体を動かしています。
ブドウ糖は血液に含まれて、全身の筋肉や脂肪に運ばれていきます。そしてブドウ糖を筋肉や脂肪の細胞に取り込むときには、インスリンというホルモンが働いています。
インスリンがなければ、筋肉や脂肪はブドウ糖を得ることができません。
このインスリンには血液中のブドウ糖の量(血糖値)を一定に保とうとする働きがあります。
もし、早食いでたくさんのものを食べたら、血液中のブドウ糖の量が増え、それに伴ってインスリンも多く分泌されることになります。
インスリンが多く作られると、脂肪に取り込まれるブドウ糖の量も増えるので、早食いでたくさん食べると太ってしまうのです。
しっかり噛んで太らないようにしよう

早食いの人は、噛む回数が少なくなりがちです。この点に着目して、日本肥満学会(JASSO)でも、噛む回数を増やし、肥満を防ぐことを提唱しています。
噛む回数は30回
日本肥満学会では、1口30回噛む咀嚼法をおすすめしています。噛む回数が普段から少ない人が、いきなり噛む回数を増やすのはなかなか難しいと思いますが、健康のためにも30回の咀嚼を心がけてみましょう。
荒噛みにならないようにする
早食いしている方に多いのが、食べ物を十分に噛み潰さない「荒噛み」という噛み方です。
噛む回数が増えても、荒噛みをしていては、太りやすくなってしまいます。食物をきちんと噛む(咀嚼する)ようにし、荒噛みを防ぎましょう。
歯科治療を受ける
虫歯や歯周病があると、食べ物を十分噛むことができません。歯科医院できちんと虫歯や歯周病を治すようにしましょう。
また、歯が欠けたり、抜けてしまっている場合も同様です。詰め物や被せ物で補綴(ほてつ)する、インプラントや入れ歯で抜けた歯を補うといった治療を受けるようにしてください。
正しく噛めるためにも歯は健康に

今回は、早食いと肥満の関係についてお話ししました。早食いを抑えて肥満を防ぐには、きちんと咀嚼することが大切だとご理解いただけでしょうか。
そして正しい咀嚼のためには、ご自身の意識に加え、しっかりと噛める歯も欠かせません。
歯を健康に保てるよう、食後に歯磨きを欠かさないようにするとともに、定期的に歯科医院を受診し、予防歯科で歯のクリーニングや歯石の除去を受けるようにしましょう。
成増さくら歯科では、肥満など全身の健康を見据えた歯科治療を心がけています。虫歯や歯周病だけでなく、噛み方に気になることがあるという方も、成増駅すぐそばの成増さくら歯科にぜひお越しください。
