2025.01.21

オーラルフレイルについて

オーラルフレイルとは

オーラルフレイルとは

フレイルとはFrailty(虚弱)のことで、日本老年医学会が2014年に提唱した概念です。健康と要介護状態の間にあり、身体の機能低下などが見られる状態のことを指します。これが口腔(オーラル)の領域において見られるものをオーラルフレイルといいます。

オーラルフレイルとは、口腔の機能低下、口腔の衛生状態の悪化、口腔周囲の筋力の低下、噛む能力の低下などの状態を指し、高齢者における口腔と全身との健康に関連する問題として、近年注目されています。

高齢化社会の日本では看過できない問題に

上に挙げた症状は、高齢者の日常生活に影響を与え、栄養摂取の不足から、ひいては社会的孤立などの問題を引き起こす可能性まであり、超高齢化社会の日本では、見過ごせない問題になっていると言えるでしょう。日本歯科学会日本老年歯科医学会も、オーラルフレイルの啓発活動に力を入れているのはそのためです。

オーラルフレイルを理解して対策することは、高齢者の全身の健康を維持し、生活の質を向上させるためにも重要です。口腔の健康と全身の健康には、密接な関係があるとされていますから、決して「お口の問題だから…」などと軽視しないでください。

今回は、そんなオーラルフレイルについてお話しします。

オーラルフレイルの影響とリスク

お話ししたように、口腔の機能の低下や口腔状態の悪化は、食事の摂取量が低下したり、会話がしにくくなったり、また、自己表現が低下してしまうなど、日常生活に影響を及ぼします。口腔周囲の筋力低下や噛む能力の低下は、栄養摂取の不足や身体機能の低下などを引き起こす可能性もあるのです。

オーラルフレイルのリスク要因は、加齢だけでなく、生活習慣の変化、口腔ケアの不足、糖尿病など全身疾患の存在など多岐にわたりますが、特に、歯周病など口腔内の感染症、また歯が抜けた箇所をそのままにすることは、オーラルフレイルを引き起こす大きなリスクとなるため、注意が必要です。

予防にはセルフケアとプロフェッショナルケアの併用が大切

オーラルフレイルを予防するには、日々の自宅でのしっかりとした口腔ケア(セルフケア)と、定期的に歯科医院でのメンテナンスを受けること(プロフェッショナルケア)が基本になります。また、生活習慣の改善や口腔衛生習慣の確立も、オーラルフレイルの予防や管理に役立ちます。

日々の口腔ケアと聞いて思いつくのは、歯ブラシでの歯磨き、歯間ブラシ、デンタルフロスなども使用して、歯の周囲に付着した歯垢を除去することでしょう。これらは、歯周病虫歯のリスク、口臭の発生を軽減します。

ただ、歯磨きでは見えないところ、磨き残しが発生しやすい場所があります。そのため、口腔内を清潔に保つためには、定期的な歯科医院でのチェックも重要です。

予防歯科のページでもお伝えしていますが、歯科医師と歯科衛生士による専用機材でのPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)は、虫歯歯周病の早期発見と治療を可能にし、お口の健康をサポートしてくれます。

また、日常的な口腔ケアの一環として、適切な歯磨きの手順や歯間ブラシの使い方などの指導(TBITooth Brushing Instruction)も受けましょう。歯科医師や歯科衛生士からのアドバイスを受けながら、正しいケア方法を継続的に実践することが口腔内を清潔に保ち、オーラルフレイルの予防につながります。

栄養バランスの重要性

栄養バランスの重要性

健康的な食事は、歯や歯肉の健康を保つだけでなく、全身の健康にも影響を与えます。特に、ビタミンやミネラル、タンパク質などの栄養素をバランス良く摂取することが、口腔内の組織の修復や免疫力の維持にとても重要です。

糖分や炭水化物の摂取を控え、野菜や果物、肉や魚など、必要な栄養素をバランス良く含む食事を心がけましょう。また、十分に水分を摂取することもお口の健康にとって大切です。

歯科医師や栄養士との協力のもと、個々の栄養ニーズに合わせた食事を考慮することがポイントになります。健康的な食生活を実践することは、口腔内の健康を維持し、オーラルフレイルのリスクを軽減してくれるでしょう。

定期的な運動も忘れずに

定期的な運動も忘れずに

運動による筋力トレーニングや、身体バランスを維持・向上させることも、噛む能力や嚥下(えんげ:飲み込むこと)機能を改善し、口腔機能の維持につながります。

また適度な運動は全身の健康を保つ基本ですので、高血圧や糖尿病など慢性疾患のリスク軽減にも役立ちます。高齢者にとっても、定期的な運動はオーラルフレイルの予防や管理に有効ですので、ウォーキングやストレッチなどの軽度な運動から始め、徐々にステップアップしてみましょう。

予防歯科のページでお伝えしているとおり、厚労省と日本歯科医師会は、「80歳で20本以上の歯を残そう」をスローガンに掲げた8020運動を推奨しています。オーラルフレイルを予防し、いくつになっても健康な歯を保てるよう、成増さくら歯科は全力で患者さんのサポートをいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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