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2025.11.26

子どもにできやすい虫歯、ランパンドカリエスとは?

虫歯は、誰でも同じようにできると思っていらっしゃる方がほとんどではないかと思います。

しかし実は、虫歯ができるのには年齢層によって違いがあり、中高年の方に多い虫歯もあれば、お子さんに多い虫歯もあります。

お子さんに生じやすく、大人の方にはまず見られない虫歯のひとつが「ランパントカリエス」です。今回は、そんなお子さんに生じる特徴的な虫歯、ランパントカリエスについてご説明します。

ランパントカリエスとは

ランパントカリエスとは

ランパントカリエスは、前歯から奥歯まで、ほとんど全ての歯に急速に、そして広範囲に起こる虫歯です。最近ではあまり見られなくなりましたが、全くなくなったというわけではないので、油断は禁物です。

ランパントカリエスの名前の由来

ランパントカリエスのランパントは、英語ではrampantと書き、「制御できないほど激しい」という意味です。

すなわち、どこから手をつけていいかわからないほど、ほとんどの歯に虫歯ができた状態ということからこのような名前がついたようです。

ランパントカリエスになりやすい時期

歯は、生えてから間もないころは虫歯菌の作り出す乳酸への抵抗力が低く、虫歯になりやすい傾向があります。

ランパントカリエスは、この時期に起こりやすく、年齢では小学校の低学年まで(乳歯が生えて間もない時期)と中学校の頃(永久歯が生えて間もないころ)にピークが見られます。

ランパントカリエスの原因

ランパントカリエスの原因は、普通の虫歯と同じで、虫歯菌が作り出す乳酸です。

低年齢の場合は哺乳瓶でジュースを飲むという習慣を長い間続けたり、中学校の頃は間食の回数が増えるなどといった食生活も関連していると言われています。

ランパントカリエスの症状

ランパントカリエスの症状

ランパントカリエスになると、普通の虫歯以上にさまざまな症状が出ます。

下顎の前歯も虫歯になる

一般的な傾向として、下顎の前歯は虫歯になりにくいといえます。これは、下顎の前歯の裏側に唾液の出口があり、唾液の持っている虫歯予防の働きがしっかりと作用するからです。

ところが、ランパントカリエスでは、本来なら虫歯になりにくいはずの下顎の前歯にも虫歯ができてしまいます。

噛めなくなる

奥歯も含め、上下の歯が噛み合うところがなくなってしまうので、特に硬いものが噛めなくなります。

栄養の偏り

食べ物をしっかり噛めなくなるので、食べられるものが必然的にやわらかいものに限られてしまいます。この結果、栄養に偏りが生じ、体力の低下や全身の成長発育への悪影響が出ます。

顎の骨格への影響

顎の骨は、食べ物を噛む刺激が下顎骨(かがくこつ:下顎の骨)の頂上にある下顎頭(かがくとう)に伝わり、下顎骨の成長が促され、それに合わせて上顎骨が成長します。

ランパントカリエスで噛めなくなると、食べ物を噛むという刺激が下顎骨に伝わりにくくなり、顎の骨格の成長発育が不十分になってしまう恐れがあります。

歯並びが悪くなる

虫歯だらけになると、歯の向きが傾いたり、噛み合わせている歯が伸びてきたりするので、歯並びが悪くなってしまいます。

ランパントカリエスの治療法

冒頭でお伝えしたように、ランパントカリエスは、永久歯より乳歯に発生しやすい虫歯です。

乳歯のランパントカリエスは、小学校の低学年までに起こりやすいですが、この年齢では大人の方の虫歯のような治療法は難しいですし、本数も多く、通院がかなり大変です。

そこで、まずは虫歯の部分(溶かされてやわらかく、かつ変色しているところ)だけ取り除き、セメントやコンポジットレジンというプラスチックの歯科材料で塞ぐ治療をします。

こうして、永久歯への生え替わりの時期まで、乳歯を保たせるようにします。

ランパントカリエスの予防法

ランパントカリエスの治療法

正しい歯磨き

ランパントカリエスも普通の虫歯と同じく、予防の基本は歯磨きです。

食事の後、歯を必ず磨く習慣を身につけることはもちろんですが、歯ブラシだけでは歯と歯の間までは磨ききれないので、歯間ブラシやデンタルフロスを使って磨くようにしてください。

歯間ブラシやデンタルフロスの使用は毎食後が理想的ですが、なかなか難しいと思いますので、1日1回は通すように心がけましょう。

また、少なくとも小学校の低学年頃までは、ご自身の歯磨きだけでなく、保護者の方の仕上げ磨きもお願いします。

フッ化物の使用

フッ化物は虫歯予防にとても高い効果があります。まずは、フッ素入りの歯磨き粉を選んでいただき、日常の歯磨きで自動的に歯にフッ化物を作用できるようにしましょう。

6歳以上の方は1450ppmの高濃度タイプ、6歳未満の方は950ppmがおすすめです。

その上で、フッ化物の洗口液で1日1回、もしくは1週間に1回うがいをする、年に数回歯科医院でフッ化物塗布を受けるようにしてください。フッ化物の働きで、ランパントカリエスだけでなく、普通の虫歯も防ぎましょう。

食生活の見直し

間食の多いお子さんや、ジュースを含めた甘いものを好み、頻繁に口にしているお子さんは、ランパントカリエスの発生リスクがたいへん高くなります。

特に、歳の離れた下のお子さんは、上のお子さんと同じようにお菓子やジュースを口にする機会が多く、注意が必要です。

食生活を見直すことも、ランパントカリエスを防ぐためにとても重要です。

まとめ

成増さくら歯科の小児歯科では、専門医も在籍し、お子さんも親御さんも安心して治療が受けられる環境をご用意しております。

ランパントカリエスは、急速に広範囲に発生する虫歯のことであり、歯が生えて間もない時期になりやすい傾向が見られます。

お伝えしたように、ランパントカリエスは、近年非常に稀になりましたが、全くないというわけではありません。十分な注意が必要です。

ただ、ランパントカリエスも普通の虫歯と同じく、予防は十分可能です。日々の正しい歯磨きと、フッ化物の活用、食生活の見直しをポイントに、大切なお子さんの歯を守るようしてあげましょう。これに定期的な歯科検診を加えることで、より万全な予防が可能になります。

成増さくら歯科の小児歯科では、専門医も在籍し、お子さんも親御さんも安心して治療が受けられる環境をご用意しております。

お子さんの虫歯や歯の状態について、相談したいことがある方、ご質問のある方は、成増駅すぐそばの成増さくら歯科にぜひお越しください。

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