2025.10.30

虫歯治療後に食事を控える時間はどれくらい?

みなさん、虫歯治療が終わって帰るときに「〇〇時間くらい食べないようにしてくださいね」と説明されたことありませんか?

逆に、特にそのような説明もなく帰ったこともあるのではないかと思います。

すると、「治療後はどのくらいの時間を空けるのが良いのだろう?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、歯科医院の指示どおりにすれば問題ないのですが、実は治療内容によって、食事を控えてもらう時間はおおよそ決まっています。今回は、治療内容と食事を控える時間の目安について、分かりやすく説明したいと思います。

食事を控えてもらう時間

治療後に食事を控えてもらう時間

30分ほどの場合

治療が終わってから30分ほど食べないように指示されるのは、セメント(接着剤)や仮封剤(仮の詰め物)を使った虫歯治療が行われた場合です。

セメントや仮封剤が固まるまでに何かを食べると、それらが取れてしまう可能性があり、十分固まるまで待つためには、30分ほどの時間がかかるからです。

23時間ほどの場合

治療が終わってから23時間ほど食べないように指示されるのは、局所麻酔をした時です。局所麻酔(浸潤麻酔:しんじゅんますい)は歯肉に麻酔薬を注射する麻酔で、歯科治療で一般的によく行われている麻酔です。

この局所麻酔薬には、血管収縮薬という成分が含まれており、血管を縮めることで治療中の出血を抑え、麻酔薬が必要以上に広がらないようにする効果があります。そのため、麻酔薬は薄まりにくく、23時間くらい効果が続きます。

麻酔が効いている間、頬や唇、舌を誤って噛むことがないように、2~3時間は食事を控えるように指示されるわけですね。

なお、スキャンドネスト®︎という麻酔薬は効果の持続時間がとても短く、スキャンドネスト®︎を使った浸潤麻酔なら、3040分ほどで食事を摂れるようになります。

6時間ほどの場合

治療が終わってから6時間ほど食べないように指示されるのは、伝達麻酔という麻酔をした時です。伝達麻酔は、神経の奥のところを麻酔する方法で、広い範囲を長時間痺れさせる効果があります。

神経の流れは、例えて言うと木の枝のようなもので、枝分かれした先が歯肉に分布していると考えてください。伝達麻酔は、神経が枝分かれする前の部分に行う麻酔で、その先が麻痺するので、広い範囲を痺れさせます。

このため、麻酔の効果は長く続きますが、その分、食事を控えていただく時間も長くなるというわけです。

食べられない時間が発生する虫歯治療

治療が終わってから、しばらくの間食べないように指示される虫歯治療について、代表的なものを紹介します。

インレーやクラウン治療

インレーやクラウン治療

インレーは詰め物、クラウンは被せ物のことで、どちらも虫歯治療ではよく使用されるものです。そして歯を削る時や、インレーやクラウンを装着する時は、食事を摂るまで時間を空けていただくことになります。

歯を削る時

インレーやクラウンをつけるためには歯を削らなくてはなりませんが、この時に、麻酔の注射をすることがあります。

麻酔の注射をして歯を削った時は、先ほどお伝えしたように、麻酔がさめるまで2〜3時間くらい食べられなくなります。

インレーやクラウンを着ける時

インレーやクラウンをつけるとき、セメントと呼ばれる接着剤を使います。セメントは数分で8〜9割くらい固まりますが、完全に固まるまでに30分ほどかかります。

このため、つけてから30分ほど食べないように指示されます。

根幹治療

根幹治療

虫歯の穴が歯の神経に近いところまで進んでいたら、根幹治療(歯の神経の治療)を行います。

神経を取る時

歯の神経に直接触ると強い痛みが出るため、歯の神経を取るには麻酔が不可欠です。

たいていは浸潤麻酔で十分なので、食事を摂るまで2〜3時間の制限で済みますが、下顎の奥歯など、浸潤麻酔の効きが悪い時は伝達麻酔を行うので、制限時間が長くなります。

薬の交換をする時

歯の神経を取ると、神経があったところが空洞になるため、根幹治療の際は、この空洞の中をきれいに清掃したり、消毒の薬を入れたりします。

この時、薬が抜けてしまったり、食べ物や飲み物が入ったりすると、治療の効果が期待できなくなります。

そこで、仮封剤を使って歯の根に蓋をしますが、この仮封剤が固まるまで30分ほど、食べないように指示されます。

抜歯

虫歯が大きく、歯の根だけを残すくらいまで歯がなくなってしまった時は、残念ですが抜歯するほかありません。

抜歯の際に麻酔をかけますが、ほとんどの場合、浸潤麻酔で抜歯できるので、2〜3時間の制限になります。麻酔薬を23本くらい使っても、麻酔の作用時間自体はそれほど長くなりません。

ただ、親知らずの虫歯を抜歯する時などは伝達麻酔を使うことがあり、その場合は6時間くらいの制限になります。

親知らずの虫歯については、親知らずが痛くなる原因と対処法のコラムで詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。

食べられない時間がない虫歯治療

ここまで、食事を摂るまでに時間を空けていただく必要のある治療についてお話してきましたが、治療が終わった後の食事制限がない虫歯治療もあります。

コンポジットレジン充填

コンポジットレジン充填は、コンポジットレジンという歯の色に近いプラスチック材料を虫歯を削った穴に詰める治療法で、小さな虫歯の治療によく利用されています。

このコンポジットレジンは、光を当てると、すぐに硬化するという特徴があります。そのため、治療が終わると完全に固まっていますので、しばらく食べないように指示されることはありません。

ただし、強い衝撃を与えると、コンポジットレジンで治療した部分が外れてしまうこともありますので、注意しましょう。

まとめ

今回は、虫歯治療が終わった後、食べないように説明する理由についてお話ししました。

虫歯治療で、治療後に食べるのを控えるように指示されるのは、30分、もしくは23時間がほとんどです。

もし、麻酔を使った治療が予定されているのなら、治療後しばらくの間食べられなくなるので、時間帯によっては、治療前に軽く食事を済ませてから歯科医院を訪れる方が良いかもしれませんね。

成増さくら歯科は、治療に伴う様々なご質問にも丁寧にお答えしています。治療後の食事についても、ご不明点や気になることがある方は、成増駅すぐそばの成増さくら歯科・矯正歯科にお気軽にご相談ください。

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