2025.05.26

ヘルペス性歯肉口内炎について

口内炎というと、舌を噛んだり、頬を火傷したりというようなケガによるものがイメージされやすいものですが、ウイルスが原因で起こる口内炎もあります。中でも多いのが、ヘルペス性歯肉口内炎です。

ヘルペス性歯肉口内炎は、ウイルスが原因になるため、普通の口内炎とは症状も治療法も異なります。今回は、そんなヘルペス性歯肉口内炎の症状や治療法などについてご紹介します。

ヘルペス性歯肉口内炎とは

ヘルペス性歯肉口内炎とは

ヘルペス性歯肉口内炎の原因

ヘルペス性歯肉口内炎の原因は、単純ヘルペスウイルスです。この単純ヘルペスウイルスに初めてかかった(これを初回感染といいます)時に起こります。

このため、ヘルペス性歯肉口内炎のほとんどが6ヶ月から3歳ごろまでの小さなお子さんです。

ヘルペス性歯肉口内炎の感染経路

単純ヘルペスウイルスの感染は、接触感染や飛沫感染です。

具体的には、ウイルスの含まれた唾液や鼻水などに触れる、もしくは咳やくしゃみを浴びることで感染します。そのため、ヘルペス性歯肉口内炎は、家族からの感染が多くなります。

ヘルペス性歯肉口内炎にかかりやすい年齢

生まれて間もない赤ちゃんは、母親から抗体(免疫)を受け取っているので、単純ヘルペスウイルスも入ってこれません。

ただ、この母親からの抗体は6ヶ月ほどでなくなるため、ヘルペス性歯肉口内炎は、6ヶ月から3歳ごろまでのお子さんがかかりやすい傾向があるのです。

ヘルペス性歯肉口内炎の症状

ヘルペス性歯肉口内炎の症状

①風邪のような症状

単純ヘルペスウイルスにかかると、まず機嫌が悪くなる、発熱、喉の痛み等の症状が現れます。

②水ぶくれの発生

風邪のような症状が23日続き、その後、熱がさらに上がり、お口の中にたくさんの小さな水ぶくれが生じます。

③ただれ

お口の中にできた水ぶくれは、すぐに潰れます。

水ぶくれが潰れたところは、ただれたような状態になります。これを「びらんといい、その大きさは、だいたい2〜4mmです。

ただ、お子さんの小さなお口の中で24mmというとかなりの大きさですし、触れると痛みが出るので、食事がとりづらくなることも珍しくありません。

④歯肉の腫れ

歯肉も赤く腫れ、舌の表面は白くなります。また、リンパも腫れていきます。

お口の中が痛いと、お口を閉じにくくなるので、よだれが多くなりますし、歯磨きすると痛くて出血しますから、歯磨きを嫌がるようになると、口臭が出てくることもあります。

⑤治癒

発熱は数日、びらんや歯肉の腫れなどの症状は1週間ほど続き、その後、治っていきます。

ヘルペス性歯肉口内炎の治療法

ヘルペスウイルスに対しては、抗ヘルペスウイルス薬があります。

抗ウイルス薬を使えば、ヘルペス性歯肉口内炎の改善が期待できますので、発熱やよだれが多い、お口を開けたり、歯磨きを拒むようであれば、処方を検討しても良いでしょう。

ヘルペス性歯肉口内炎になった時の注意点

ヘルペス性歯肉口内炎になった時の注意点

水分不足に気をつける

ヘルペス性歯肉口内炎は、自然に治ってくる病気ですが、痛みが強くて食事量が大きく減る、とりわけ水分が取れない状態が続くと、体力を消耗し、お子さんがぐったりしてしまいます。

そのため、水分不足にならないよう気をつけてください。特に夏場は要注意です。とはいえ、ほとんどが13日で回復するので、乗り切れるケースも多いといえます。

食事は口当たりの良いものを

びらんの時期は、痛みのために食べづらくなりますので、やわらかく口当たりの良い食べ物にしてください。そして、前述のとおり、水分だけはしっかりと摂るようにしましょう。

ほとんどの場合、数日で回復してきますから、水分補給がしっかりとできていれば、基本的には大丈夫です。

お口のケアは無理のない範囲で

痛みや出血で歯磨きが難しい場合は、無理に歯磨きしなくても構いませんが、うがいだけでも行うようにしてください。

けいれんを起こしたら

発熱が強くてけいれんを起こした時、もしくは意識が遠のいた時は、至急病院に行き、適切な処置を受けましょう。

ウイルスの拡散を防ぐために

ヘルペス性歯肉口内炎の症状がある時期は、ヘルペスウイルスがお子さんの口腔内に多く存在しています。

「食器は別にする」「使うタオルを分ける」「お子さんに触れたらしっかり手洗いする」などといった対策をして、ウイルスが広がらないように気をつけてください。

入浴

熱が下がり、体調が戻ってきたらお風呂に入ってもいいでしょう。

登園や登校

熱が出て、お口の中にたくさんのびらんができている時期は、感染力の強い単純ヘルペスウイルスが多くいる状態ですので、他のお子さんにうつさないためにも、登園・登校は避けてください。病院以外の外出も同様です。

熱が下がり、食事量が元に戻れば、単純ヘルペスウイルスの影響がある時期は過ぎたと考えられるので、登園や登校を再開できます。

まとめ

今回は、ヘルペス性歯肉口内炎についてお話ししました。ヘルペス性歯肉口内炎は、6ヶ月から3歳ごろの小さなお子さんに起こりやすい病気で、原因は単純ヘルペスというウイルスです。

特に辛い時期は1週間弱、感染から治るまで症状全体では12週間ほどです。その間は、お伝えした注意点について、きちんと対処するように心がけるようにしてください。

成増さくら歯科・矯正歯科は、お子さんのお口の健康を守ることにも積極的に取り組んでおります。お子さんの口内炎、特に熱を伴う口内炎を認めた時は、当院でぜひご相談ください。

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